Vol.51|「遺言」|遺言の効力について|静岡市清水区の遺言・相続相談専門行政書士が概説
コチラでは、遺言書や相続手続きなどについて解説しております。
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遺言が複数見つかった場合の効力について
民法では、遺言者が、いつでも、遺言の方式に従って、遺言の全部又は一部を撤回することが認められています。
つまり、遺言の方式に従っている限り、先に作成した公正証書遺言を、後から公正証書遺言又は自筆証書遺言で撤回することが出来るのです。
同様に、先に作成した自筆証書遺言を、自筆証書遺言又は公正証書遺言で撤回することが出来ます。
ところで、公正証書遺言と自筆証書遺言の両方が見つかったような場合、どちらが有効なのかは、どうやって判断するのでしょうか?
(過去にも取扱ったテーマですが)今回は、「遺言の効力」について概説します。
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上記例の場合、公正証書遺言だから有効、自筆証書遺言だから無効、といった判断がされることは無く、有効か無効かは、あくまで遺言書が作成された「日付」によってのみ決まります。
遺言の内容で、先に作成したものと後に作成したもので違いがある場合、後の日付が記載されている遺言書が有効となります。
この時、先の日付の遺言は、無効なものとされます。
前の遺言が、後の遺言によって撤回されたものとみなされるのですが、この撤回は、遺言の全部ではなく、一部の撤回をすることも出来ます。
・〇〇を長男に相続させる。
・△△を長女に相続させる。
との遺言があった場合、後から次のような内容で新たな遺言を作成したとします。
・△△を長男に相続させる。
こうなると、先に作成された遺言の「△△を長女に相続させる」という部分は、「△△を長男に相続させる」という新たな遺言によって、その部分の効力は無効化され、
・〇〇を長男に相続させる。
・△△を長男に相続させる。
前の遺言と後の遺言より、「〇〇と△△を長男に相続させる」といった効力を持つ遺言になります。
ただ、この「遺言の撤回」をする時には、リスクを伴うことを理解しなければなりません。
遺言の撤回は、「遺言の方式に従う限り」それが認められるのですが、法律に定める方式通りではない方法での撤回は、撤回の意味をなさず、前の遺言が有効なままとなりかねません。
自筆証書遺言、公正証書遺言、どちらも作成上のルールがあるので、それに従って作成しなければなりませんし、メモ書きや口頭での意思表示などでは、撤回の効力は有しないことになります。
また、撤回を撤回する事も出来ません。撤回を撤回すること(以前の遺言書を撤回した前回の遺言書を撤回する、など)によって、元々の遺言を復活させることは出来ないので、元々の遺言内容に戻したいのなら、新たな日付で元々の内容の遺言を作成し直すことが必要です。
遺言を遺される相続人や受遺者などが混乱しないよう、撤回するのであれば、前の遺言書は(遺言の全部の撤回の場合は)物理的に破棄して作成し直したり、公正証書遺言による撤回をした方がより安全ですよね。
※自筆証書遺言を法務局で保管している場合や、公正証書遺言であった場合は、どちらも原本が手元にないので、物理的に破棄することが出来ません。この場合は、撤回は新たな日付で遺言を作り直す必要があります。
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今回は、「遺言の効力」について概説しました。
遺言や相続に関することって、知っているようで知らなかったり、曖昧だったりすることが意外と多いと思います。
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