Vol.62|「遺言」|「相続させる」と「遺贈する」、手続き上の違い|静岡市清水区の遺言・相続相談専門行政書士が概説
コチラでは、遺言書や相続手続きなどについて解説しております。
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「相続させる」と「遺贈する」、手続き上で違ってくること
「遺言では、財産の承継について、『相続させる』と『遺贈する』の二つの表現があると聞きました。これは、財産を渡す相手方の違いによって変わるということですが、財産承継の具体的手続き上でも『相続させる』と『遺贈する』とでは、何か違いがあるのでしょうか?」
この疑問について概説します。
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まず、「相続させる」と「遺贈する」の違いは、財産の受取人の違いによって分けられます。
相続人に財産を渡す場合は「相続させる」、相手が相続人以外の場合や法人等である場合には「遺贈する」と表現します。
ちなみに、相続人に対しても「遺贈する」という表現を用いることは可能です。
表現の違いによる手続き上の違いとして上げられる代表格は、不動産の登記申請をする場面です。
遺言で「相続させる」と表現した場合、特定の不動産の相続人として指定された相続人は、単独で所有権移転の登記申請をすることができます。
しかし、「遺贈する」と表現されていた場合、受遺者は単独で登記申請することが出来ず、他の共同相続人全員と共同で所有権移転の登記申請をしなければならなくなります。
手続きが困難になる他、ここに不穏な要素があるの、分りますか?
受遺者と他の共同相続人との関係が良好であれば、スムーズに手続きが進む場合もあります。
しかし、そうではない場合は、他の共同相続人の協力が得られなかったり、また行方不明の相続人がいたりすると、手続きが円滑に進みません。
揉める可能性、ありますね…。
尚、上記不動産の登記申請の場面でも、遺言執行者が選任されていれば、手続きがスムーズに進むと思われます。
また、「放棄」する場面でも違いがあります。
「相続させる」遺言の場合、何らかの理由で拒絶したい場合は、相続放棄をする必要があります。相続放棄は一度するとその撤回が困難となります。
「遺贈する」遺言の場合、これを辞退したい場合には、遺贈放棄の意思表示をすれば足ります。ただし、包括遺贈であった場合には、相続させる遺言の場合と同様、相続放棄の手続きが必要となります。
他にも違いのある場面はありますが、次回以降に譲ります。
尚、不動産登記に関する相談や依頼は、司法書士さんへお願いします。
当事務所では、お引き受けすることは出来ませんが、ご紹介する事は可能です。
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以上、遺言の文言の違いと手続き上の違いについて概説しました。
遺言や相続に関することって、知っているようで知らなかったり、曖昧だったりすることが意外と多いと思います。
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