Vol.31|「遺言」|相続権を失う場合、「廃除」とは|静岡市清水区の遺言相続専門行政書士が概説

コチラでは、遺言書や相続手続きなどについて解説しております。

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相続権が無くなることがある?「廃除」について。

今回は、前回に引き続き「相続権を失うケース」の一つ、「廃除」について概説します。

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相続欠格と同様に、「廃除」は、相続人として相応しくない者の相続権を失わせるのがその内容です。

ただし、欠格との大きな違いの一つは、欠格は、相続欠格事由に当てはまれば、特に手続きをすることなく相続開始時に相続権が失われますが、廃除は、被相続人が生前に家庭裁判所に請求するか、被相続人が遺言で廃除し、遺言執行人が家庭裁判所に請求するという、どちらかの手続きが必要となります。

民法892条に廃除についての規定があり、以下のような場合には廃除が認められる可能性があります。

・被相続人に対する虐待があった場合

・被相続人に対して日常的に暴力・暴言等を繰り返した場合等

・被相続人に対して重大な侮辱を加えた場合

・被相続人の財産を自分のものにしたり、勝手に処分したりした場合

・被相続人に多額の借金の返済をさせた場合

・相続人が重大な犯罪を犯したことがある場合

以上のような場合には、廃除に該当する可能性があります。

廃除されると、遺留分※まではく奪されます。
民法892条の書き出しに「遺留分を有する推定相続人は・・・」と書かれていて、廃除の対象が遺留分がある推定相続人とされているからです。
※遺留分:兄弟姉妹以外の相続人に認められた、遺産の最低取分

兄弟姉妹を廃除したい場合は、あえて廃除の手続きをしなくても、遺言で遺産を渡さない旨を記載すれば良いことになります。

また相続欠格と違い※、廃除には廃除の取消が法律上明記されています。
なので、排除したものの、その後の事情で、被相続人が排除の取消を希望した場合、家庭裁判所への手続きを経ることで、取消が可能とされています。
※相続欠格に取消の制度はありません。

廃除は、家庭裁判所への請求が必要になりますが、実は家庭裁判所での審判は意外に厳しく、上記のようなケースが有れば必ず廃除が認められるのではなく、慎重な判断がなされるようです。

数年前のある年度の司法統計によると、廃除が認められるのは、受理件数328件のうち、わずか15%未満になるそうです。

というのも、相続権は相続人にとっては重要な権利であり、簡単に奪って良いものでは無いため、家庭裁判所の審判もとても慎重になされるからです。

その他、相続欠格との違いで言うと、相続欠格は、相続欠格事由に当てはまれば自動的に相続権が失われるのですが、それが何かに登録等される訳ではないので、客観的には確認しづらい状態があります。
これに対し、廃除は、家庭裁判所の審判で廃除が認められた後、10日以内に市町村役場に届出をします。そうすることで、廃除された相続人の戸籍の身分事項の欄に、相続廃除された事実が記載されることになります。なので、廃除を客観的に確認することが可能です。

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以上、今回は相続権を失うケースの一つ、「廃除」について概説しました。

相続は、一口に相続と言っても様々な制度とケースがあり、当事者が誰のサポートも受けずに適切に対応していくのは難しいですよね。

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